買いすぎた収入印紙、貼るはずだった契約書が流れて余った収入印紙。
これを現金に戻したいと考えたとき、最初に知っておきたいのは国税庁がはっきり書いている一文です。
「収入印紙を現金に交換することはできませんのでご注意ください」
郵便局でも税務署でも、窓口で現金には戻りません。
ただし条件によっては税務署から口座に振り込まれる制度があり、そこに当てはまらない場合の受け皿もあります。
この記事では、手元の印紙が「未使用なのか、文書に貼ってあるのか」で分かれる3つのルートを順に見ていきます。
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まず手元の状態を確認する

収入印紙の扱いは、状態によって進む先がまったく変わります。
| 手元の状態 | 進める先 |
|---|---|
| 未使用・汚損もき損もしていない | 郵便局で他の額面の印紙に交換、または金券ショップで買取 |
| 課税文書に貼ってあり、金額が過大 | 税務署に還付を申請できる |
| 課税文書でない文書に誤って貼った | 税務署に還付を申請できる |
| 課税文書の用紙に貼ったが使う見込みがなくなった | 税務署に還付を申請できる |
| 貼った部分を切り取った・はがした | 交換も還付もできない |
| 消印がある・汚れている | 交換不可。金券ショップでも買取不可のことが多い |
一番下から2番目の行は特に注意が要ります。
貼ってしまった印紙を惜しんで切り取ると、その時点で交換も還付も道が閉じます。
藤真由美郵便局でできるのは交換だけ。手数料は1枚5円
国税庁は収入印紙の交換制度について、汚損もき損もされていない印紙は最寄りの郵便局で他の額面の収入印紙と交換できると説明しています。
このとき、郵便局に提出する収入印紙1枚につき5円の手数料がかかります。
枚数が多いと手数料の重みが変わる
手数料は金額ではなく枚数にかかるので、額面の小さい印紙をたくさん持っているほど負担が重くなります。
| 持ち込む印紙 | 枚数 | 額面の合計 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|---|
| 200円 | 50枚 | 10,000円 | 250円 | 2.5% |
| 1,000円 | 10枚 | 10,000円 | 50円 | 0.5% |
| 10,000円 | 1枚 | 10,000円 | 5円 | 0.05% |
同じ1万円分でも、200円の印紙50枚なら250円、1万円の印紙1枚なら5円です。
負担率にして50倍の差があります。
小額の印紙をまとめて交換するときは、この分を見込んでおいてください。
交換の対象になる・ならない
- 汚損もき損もされていない未使用の収入印紙は交換できる
- 交換できるのは他の額面の収入印紙で、現金には交換できない
- 汚れたり傷んだりしている印紙は交換の対象にならない
使う予定のある額面に変えておけば、無駄にはなりません。
発行元で交換はできても払い戻しは受けられない、という作りは商品券にもあります。全国百貨店共通商品券も、発行元からの払い戻しはありません。

税務署の還付は「誤って納めた印紙税」に限られる
税務署には印紙税の還付という制度がありますが、対象になるのは決まった3つの場合だけです。
還付の対象になる3つ
- 請負契約書や領収書などの課税文書に貼った収入印紙が、過大になっているもの
- 委任契約書など課税文書に該当しない文書を、課税文書と誤認して収入印紙を貼ってしまったもの
- 課税文書の用紙に収入印紙を貼ったものの、使用する見込みがなくなったもの
共通しているのは、いずれも文書に貼ってある状態だという点です。
買っただけで何にも貼っていない印紙は、この3つのどれにも当てはまりません。
印紙税以外に使った分は対象外
ここは見落としやすいところです。
収入印紙は印紙税の納付だけでなく、登録免許税や国への手数料の納付にも使われています。
国税庁は、登録免許税や特許手数料を納付するために貼った場合は、誤って貼ったものであっても印紙税法による還付の対象にならないと説明しています。
登記や特許の手続きで貼った分は、この制度の外にあるということです。
5年を過ぎると請求できなくなる
還付金の請求権は、請求できる日から5年を経過すると消滅します。
そのため文書を作成した日から5年を過ぎたものは、還付の対象になりません。
古い契約書の束を整理していて見つけた場合は、日付を先に確認してください。
還付の手続きと、お金が届くまで
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出するもの | 印紙税過誤納確認申請(兼充当請求)書 |
| 一緒に必要なもの | 過誤納となっている文書(現物)の提示 |
| 提出先 | 納税地の所轄税務署長 |
| 提出方法 | 書面の場合は可能な限り郵送 |
| 受け取り方 | 銀行振込または郵便局を通じた送金 |
| 根拠法令 | 印紙税法14条、同施行令14条、同基本通達115 |
申請には文書の現物の提示が必要なので、印紙だけを持っていっても手続きは進みません。
納税地は文書の種類や記載内容によって異なる場合があるとされているので、提出先は事前に確認しておくと確実です。
還付金は銀行振込などによる送金になるため、受け取りまでに日数がかかります。
その日のうちに現金になる制度ではない、というところは押さえておいてください。
還付のように日数がかからない券もあります。JCBギフトカードは金券ショップでその日のうちに現金になり、現行デザインなら換金率97〜98%です。

未使用の印紙は金券ショップで買い取ってもらえる
何にも貼っていない未使用の印紙で、交換ではなく現金がほしいなら、金券ショップが受け皿になります。
この場合は額面の数パーセントから十数パーセントほどが引かれた額での買取になります。
3つのルートを金額で比べる
1万円分の未使用印紙を持っている場合で並べます。
| ルート | 受け取るもの | 1万円分での目安 |
|---|---|---|
| 郵便局で交換 | 他の額面の収入印紙 | 枚数×5円を引いた印紙 |
| 税務署に還付申請 | 現金(振込) | 条件に当てはまれば全額 |
| 金券ショップで買取 | 現金 | 8,500〜9,500円程度 |
目減りが一番少ないのは郵便局の交換ですが、受け取れるのは現金ではなく印紙です。
今後も印紙を使う仕事なら交換、二度と使わないなら買取、という分け方になります。
買い取ってもらえない状態
- 消印が押されているもの
- 汚れているもの、水に濡れた跡があるもの
- 文書から剥がした跡があるもの
金券ショップは買い取った印紙を売ることで利益を出すので、そのまま使える状態かどうかが判断の基準になります。
図書カードやQUOカードは90〜95%と、同じ金券でも換金率には幅があります。

よくある質問
郵便局で収入印紙を現金に戻せますか
できません。国税庁は「収入印紙を現金に交換することはできませんのでご注意ください」と明記しています。郵便局でできるのは、他の額面の収入印紙への交換だけです。手数料は提出する印紙1枚につき5円かかります。
買いすぎた未使用の印紙を税務署で返金してもらえますか
還付の対象は、課税文書に貼ったうえで過大だったものなど3つの場合に限られています。どこにも貼っていない未使用の印紙は当てはまりません。この場合は郵便局で他の額面に交換するか、金券ショップで買い取ってもらうことになります。
登記のために貼った印紙が余りました
登録免許税や特許手数料を納付するために貼った収入印紙は、誤って貼ったものであっても印紙税法による還付の対象にはならないと国税庁が説明しています。その手続きを所管している窓口に、別の救済制度がないか確認してみてください。
間違えて貼った印紙を剥がして再利用できますか
剥がしたり貼り付けた部分を切り取ったりしたものは、交換も還付も受けられなくなります。還付の申請には過誤納となっている文書の現物の提示が必要なので、文書ごとそのまま残しておいてください。
還付を申請してからどのくらいで振り込まれますか
国税庁は、還付金は銀行振込あるいは郵便局を通じた送金となるため、受け取るまでに日数がかかると案内しています。具体的な期間は示されていないので、急ぎの資金として当てにする性質の制度ではありません。
まとめ
国税庁は収入印紙を現金に交換することはできないと明記していて、郵便局でできるのは他の額面への交換だけです。
交換の手数料は提出する印紙1枚につき5円なので、小額の印紙を多く持っているほど負担が重くなります。
税務署の還付は、課税文書に貼った印紙が過大だった場合など3つに限られ、未使用のものは対象外です。
登録免許税や特許手数料のために貼った分は対象にならず、文書の作成から5年を過ぎたものも請求できません。
未使用で現金がほしいなら金券ショップという順番になるので、まず手元の印紙の状態から確かめてもらえたらと思います。

